『キング 罪の王』THE KING 2005
story
海軍を除隊した21歳の青年エルビスは、一度も会ったことがない父親に会うため、テキサスの小さな町を訪れた。
しかし招かざる客のエルビスは、父デビッドに拒絶される。
デビッドは今では教会の牧師になり、妻と高校生の息子と娘がいる幸せな家庭を持っていたのだ。
やがてエルビスは父の娘、つまり自分の妹である16歳のマレリーに接近し、関係を持つようになる。
それは悲劇の始まりだった…。
staff
監督 ジェームズ・マーシュ
脚本 ジェームズ・マーシュ、ミロ・アディカ
製作 ミロ・アディカ他
音楽 マックス・アヴェリー・リヒテンシュタイン
cast
エルヴィス:ガエル・ガルシア・ベルナル
デイビッド:ウイリアム・ハート
マレリー:ペル・ジェームス
ポール:ポール・ダノ
この映画。
実は見たくて見たくて仕方がなかったのですが、上映期間が短く、観にいけなかった映画。
ガエル・ガルシア・ベルナルという役者。実はファンなんですが。
でも弾けるまでは行ってないんですよね、ガエル。
マニアは結構いるらしいけど。
このガエルは演技もさることながら、妖しいそして孤独な陰のある、そして異様なセクシーさを持ち合わせた好俳優です。
何よりあの眼差しと甘ったるい口元に特長あるよね!
また、彼の出演作には駄作はないと言っていいかなあ。
「アモーレ・ロペス」に始まり、あの「天国の口、終りの楽園。」「アマロ神父の罪」「モーターサイクル・ダイアリーズ」「ドット・ジ・アイ」「バッド・エデュケーション」などどれもなかなかうなる佳作。
さて、この映画。タイトルがTHE KING つまり王。
これって意味深。
この映画の公式サイトには、まず「インテリジェント・デザイン(知的設計論)」つまり、ダーウィンの進化論を否定し、人類を含めた宇宙のあらゆるものがなんらかの「偉大な知性」によって創造され、デザインされてできあがったとする考え。
それから「カインとアベル」つまり兄が弟を殺す。
それから「オイディプス王」知らずに父を殺し、母を妻とする。
これらをモチーフに話ができあがっていることが載っていました。
それを踏まえて、この映画を観ました。
う~ん、やはりなかなか深い。
いろいろな考え方のできる、ある意味よく出来た見る人にいろいろ考えさせる映画であるなあと思いました。
エルヴィスの肩の軍艦の刺青。
切り落とされた鹿の頭と血。
水面に投げ入れる薬莢とその波紋。
紙で作った王冠を被るエルヴィス。などなど、どれも象徴的。
「懺悔すれば、許される。」
牧師の父はそう言った。
エルヴィスはその父に勝った。
紙で作った王冠を、彼は自慢げに頭に載せ王様になった。
KINGとは。
最後に発した父に対するエルヴィスの言葉の意味するものは・・・。
とにかく、テーマは重いし、決して気持ちよい映画ではないが、ほんと観る人の考え、意識が問われる映画。
ちょっと、たまにはこういう映画も観たいものです。
それにしてもガエルのあの目の演技はすごい!
★★★★★★★★
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