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『ヴェラ・ドレイク』 DVD

Posted by Kasshy on 26.2010 DVD   2 comments   0 trackback
『ヴェラ・ドレイク』Vera Drake 2004

story
1950年、ロンドン。
自動車修理工場で働く夫とニ人の子供と肩を寄せ合い、貧しいながらも幸せに暮らすヴェラは、家政婦として働く傍ら、時間を見つけては、老いた母親の面倒を見、近所の困っている人たちの世話を焼く毎日を送っている。
頼まれれば、望まない妊娠をして困窮する女たちを助けるために、密かに堕胎の処置を施すこともあったが、もちろんそれは誰にも内緒のことだった。
ところがある日、家族で楽しい食卓を囲んでいるところへ警察がやって来る…。

staff
監督:マイク・リー
脚本:マイク・リー
製作:S.C.ウイリアムス
音楽:アンドリュー・ディクソン

cast
ヴェラ・ドレイク:イメルダ・スタウントン
スタン・ドレイク:フィル・デイヴィス
ウェブスター警部:ピーター・ワイト
シド:ダニエル・メイズ
フランク:エイドリアン・スカーボロー
ジョイス:ヘザー・クラニー

2004年製作のイギリス映画。非常にイギリス映画らしい映画かなと思います。
ヴェネチア国際映画祭で金獅子賞と主演女優賞を受賞しており、アカデミー賞でも主演女優賞、脚本賞、監督賞にノミネートされました。

この映画、劇場でもみました。そのときは、この映画を観ようと思っていたわけじゃなかったのですが、結果観てよかったというかいろいろ思いがありました。
来てたのはそうだなあ、ほとんど女性でした。まあ、なんとなくわかるけど。

マイク・リーって監督は聞いたことがあるんだけど、映画は観たことないです。
なんでも、俳優には自分が演じる役柄以外のことは事前に知らせないという、即興劇をやらせる監督さんらしいです。

前半では、貧しいけれどいつも前向きな家族のささやかな日々を丹念に描いていきます。
鼻歌を唄いながら、誰にでも温かいお茶と優しい笑顔を絶やさないヴェラ。
そのヴェラの家族も周りの人達も彼女が太陽やひまわりのように思え、安らぎを覚えます。

ところが、後半は悲痛な空気がはりつめます。
この映画で描かれた1950年という時代、中絶を「女性の権利」とするフェミニズムの論理などは存在しなかったようです。
ヴェラには少しの「悪意」もないのですが、かと言って中絶を行うその行為が正しかったと「正当化」もできない。
そう、ヴェラは「堕胎」という自分が手助けしている行為が悪いことだと知っている。
そして家族にそれを知られるのを恥じている。
しかし同時に、当時の女たちにとってそれが必要とされていることも知っていたのだ。
自分が必要とされるなら、その求めに常に応じようとするのがヴェラという女性。

この映画は「中絶問題の是非」について論じているわけではなくて、真の善意から行われた行為が、結果として反社会的な行為として断罪される矛盾を描いている。
ヴェラのしたことは、相手の女性に望まれてしたことで、誰も傷つけるつもりなどさらさらない。
とにかく、困った人を助けたかっただけ。
その「善意」をヴェラの家族も、観る側も誰も疑わないはず。
とにかく、ヴェラを演じるこの女優の演技がすばらしい。監督もこのキャラクターを見事に作りこんでいる。

ヴェラが逮捕され、その理由を知った後でも、夫のスタンは、その懐の深い愛情で、ヴェアを受け止める。
最初は、その正義感で母親を蔑んだ長男シドも最後は、母親の真の善意に理解を示す。

すべてを赦す夫婦の愛と家族の絆のすばらしさ!まさにそのとおりの映画でした。
ラストのカットは、一見、えっ?これがラストって思うような感じでもあるが、これはこれで、この家族とともに観る者への監督からの要求でもあるんだなあって思いました。

ハリウッドのスピード、スリル、サスペンスや超豪華な映画はそれはそれで、映画館で観ると、納得だけど、こういうシリアスで日常を描いた秀作もまた、映画館でこそ、しんみりと観るのもいいものです。

もちろんDVDで何度か観ましたが、やはり秀作ですね。
ちなみにこのヴェラ役のイメルダ・スタウントンはご存じハリポタの憎まれ役のひとり、ドローレス・アンブリッジ役の女優さんです。(笑)
veradrake.jpg
★★★★★★★★

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こんばんは。
この映画は前半と後半のコントラストがくっきりですよね。
最後までヴェラを見捨てない家族愛に涙しました。
精神的支えとしての「グランマ」年配女性の存在と、
保守的な価値観の微妙なバランスがすごくイギリス的
なんだろうなぁと思いました。
2010.05.29 01:21 | URL | けにお #- [edit]
> こんばんは。
> この映画は前半と後半のコントラストがくっきりですよね。

こんばんは!ほんと前半と後半のコントラストが見事だと思います。

> 最後までヴェラを見捨てない家族愛に涙しました。
> 精神的支えとしての「グランマ」年配女性の存在と、
> 保守的な価値観の微妙なバランスがすごくイギリス的
> なんだろうなぁと思いました。

確かに言えますね。イギリスらしい映画です。
それにしてもけにおさんもよく映画観られてますよねえ。
2010.05.30 19:13 | URL | Kasshy #- [edit]

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